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こちらは、管理人まいむによる、ソウルイーター(ソウル×マカonly)二次創作テキストサイトです。 18禁もありますので、ご注意ください!
03 . May
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16 . June

日本が誇る、某有名アニメ映画から思いついたエピソードです。
ソウル、マカ、ブレアの日常のひとコマ。



ある休日。
俺が朝食の後片付けをしていると、ブレアがひょこひょことやってきた。
昨日も遅くまでキャバクラのバイトだったらしく、今日も朝寝坊だ。
口に、四角いディスクケースを咥えている。
「ヘェ・・・なんだよ、映画?」
俺は、それを受け取ってしげしげと眺めた。
アニメ映画らしい。ジャケットには、赤いリボンをつけた黒服の少女が、ホウキに乗って飛んでいる絵が描かれている。
「そうニャ! 昨日、お客さんが貸してくれたニャ。 東アジアのアニメで、魔女と黒猫が大活躍する映画ニャ!」
帽子の下の目をキラキラさせて、ブレアが俺を見上げる。
「ふーん。んで、それをどうしろって言うんだよ」
「一緒に見よ」
「げっ、アニメを? なんで俺がそんなもん・・・」
アニメとか、今更・・・ガキじゃあるまいし。COOLじゃねェだろ。
思いっきり顔をしかめて拒絶しようとすると、ちらりと俺を上目遣いで見てニヤリと笑ったブレア。
ヤツは、もわ~んと・・・オンナの姿に変身した。
「お・ね・が~い。ブレア独りじゃ、つまんないも~ん」
俺が身構える前に、素早く抱きついてくる!
「う、うぐっ!」
ボリュームのあるムネにサンドイッチにされて、俺は必死でもがいた。
「ねぇ~、ソウルくぅ~ん」
ちくしょう、こいつ、俺がOKするまで離さない気だな!
「わ、わかったわかったから・・・!!」
だ、だから、その卑怯な手を使うなっつってんだろー!
や、やべ・・・鼻の奥が、熱くなって・・・!!!
 
「んで、どうして私もつき合わされてるわけ?」
憮然とした顔で、ソファーにふんぞりかえるマカ。
「いいじゃん、せっかくだし」
俺は、鼻に詰めていたティッシュをぽいぽいとゴミ箱に放り投げた。
俺だってめんどくせぇんだよ。せっかくの休みに、なんでアニメ映画なんか見なきゃなんねーんだよ。
「ちぇ、読みたい本あったのになぁ」
口を尖らせるマカに、ネコの姿に戻ったブレアがカップを差し出した。
「まーまー、マカ。ほら、ホットココア。生クリームもサービスニャ」
ふわふわと湯気の上がるカップを受け取って、マカが相好を崩す。
「・・・んもー、しょうがないなぁ」
うっとりと目を閉じて、鼻をカップに近づけて。
マカの、そのシアワセそうな横顔に、思わず頬が緩む。
「ん? なに、ソウル」
こっちを向いたマカから慌てて視線をそらし、俺は、画面を指差して誤魔化した。
「おい、始まるぞ」
 
「ソウル君! マカ! い、今の聞いたニャ!?」
映画も中盤に差し掛かったころ、ブレアががばっと起き上がった。
「は?」
「え?」
キョトンとしてブレアを見る俺とマカ。
・・・不覚にも。俺まで映画に見入っちまってたんだよな、これが。
分かりやすいストーリーだし、悪くない。
目を閉じて曲だけ聴いてても、これがなかなかイイんだな。
「ああもうっ、巻き戻しニャ!」
ブレアは、じれったそうに、ネコ手でリモコンを操作する。
ここぞとばかりに再生された画面で発せられたセリフは・・・
「・・・ニシンと」
「カボチャのパイ!!??」
俺とマカの叫びが、共鳴する。
なんだよそれ、どうやったら、そんな組み合わせの食いモンができるんだよ!?
「ああ、ニャんて素晴らしいメニュー! 作るニャ、今すぐ作るニャ、お買い物~!」
もわん、とオンナに変身したブレアは、呆然とする俺たちにかまわず、家を飛び出していってしまった。
「カッボチャ、カッボチャ、おっさかっなさ~ん」
ブレアの浮き足立った鼻歌が遠ざかっていくのを聞きながら、取り残された俺とマカは、思わず顔を見合わせた。
「ねぇソウル・・・それっておいしいと思う?」
口元をひきつらせ、半眼で俺に尋ねるマカ。
「・・・いや、思わねェな・・・」
もちろん、俺も同じだ。
カボチャと魚の好きなブレアには、打ってつけかもしれねェけどよ。
でも、あえてそれを、一緒くたにする必要は・・・ねェだろ!
「だよね・・・だって、ほら、この女の子も、『私、このパイ好きじゃないのよね』って、言ってるよ」
マカが指差す画面に映っていたのは。例のパイが入っているとおぼしきバスケットをかかげ、嫌そうに顔をしかめる少女の姿だった。
 
「ただいま~!!」
勢いよく、ブレアが帰ってくる。
一応、映画を中断して待っていた俺たちは、帰ってくるなりキッチンに直行したブレアの様子を見に行った。
「おいブレア、作るったって、レシピもわかんねェのに」
「大丈夫、冷凍パイシート買ってきたもーん。ニシンはお魚屋さんにサービスしてもらったしぃ、カボチャはペーストにしてぇ・・・」
買い物袋から次々と食材を取り出して、パンパンプキンパンプキン♪とエプロン姿になったブレア。
ケツをふりふり、ヒョイヒョイと魔法を駆使して、調理をすすめていく。
ゲンナリする俺の後ろから、恐る恐るといったようすで、生のニシンを眺めていたマカが言った。
「ブレア、ニシンはちゃんと焼いてよね」
「ま~かせて!」
おいおい、そういう問題かよ!?
 
結局ブレアは、もう、映画はどうでもよくなったらしい。
せっかくの借りモンだからな。俺とマカは映画鑑賞をしつつ、ブレアのパイのできあがりを待つことにした。
映画はいよいよクライマックス。飛べなくなっていたはずの主人公が、飛行船から落ちそうになった友人を、なんとか助けたところだ。
あー、まあ、そうだよな。ハッピーエンドだよな。
ちょっと冷めた気分でうなずいていた俺は、隣のマカの様子に、思わず目を見張った。
「う、ぐすっ・・・」
泣いてるよ、コイツ。
見開いた目にたっぷりと涙を溜めて、クッションを力いっぱい抱きしめて。
やれやれ、男前のくせに、こーいう可愛いとこもあるんだよな。
「乗り気じゃなかったくせに、なーに泣いてんだか」
からかってやると、マカは画面から目を離さぬまま、ぐいっとソデで涙をぬぐった。
「うっさい!」
ったく、汚ねェな。
俺がティッシュの箱を渡してやると、それを膝の上に抱え込み、盛大にハナをかむ。
俺は、一心に映画を見るマカの横顔を、なんとなく眺めていたが・・・キッチンから漂ってくる怪しいニオイに、いてもたってもいられなくなった。
「おい、なんか・・・妙なニオイしねェ?」
マカも、それに気づいたらしい。
「うん・・・これってもしかして」
「・・・ニシンと」
「カボチャのパイ?」
 
「でーきた!」
三人(二人と一匹?)で、オーブンの中の、怪しげなニオイのするパイを覗き込む。
「ん~、見た目は、あの映画に出てきたのとソックリだけど・・・」
「このニオイは・・・ヤバいって、絶対」
「さ、食べよ食べよ! ソウル君は紅茶のしたく、マカはお皿のしたくね!」
ブレアは魔法でパイ皿を取り出すと、うきうきとダイニングへ運んでいく。
「はいはいっと」
「ったく、人遣いの荒いネコだぜ」
俺たちは、イヤな予感を胸に抱きつつも、ブレアの指示に従った。
 
「ではではっ、いっただっきまーす!」
皿に取り分けられた、ニシンとカボチャのパイ。
俺たちは、一斉にフォークでそれを口へ運んだ!
「う゛っ・・・」
「こ、これは・・・」
「ニャ~ン、お~いし~い!」
そのとき俺は思ったね。
やっぱり、ブレアは人間じゃねェ!
ニシンの生臭さと、カボチャの甘さが交じり合って、想像もつかない味になってんだよ。
これを旨いというブレアは・・・少なくとも人間じゃねェ。いや、ネコかどうかも怪しい!
マジで、魔ネコだ・・・
真っ青な顔でフォークを置いた俺とマカを尻目に、結局ブレアは、一人でそのパイを平らげたのだった。
 
それから、ニシンとカボチャのパイは、時々食卓にのぼることになる。
ったく、誰だよ! ブレアにあんな映画勧めた客は―――!!
 



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
 




あとがき

「魔女の宅急便」に、出てきますよね。ニシンとカボチャのパイ。
映画の中では、結構重要な小道具だと思うんですが、「おばあちゃんが一生懸命作ったパイを、孫娘はこのパイ好きじゃないのよねと一刀両断する」という展開が、ものすごく印象に残ってるんですね。
映画ではパイの中身を作ってるシーンはないけど、一体味付けとか、どうなってるんでしょうね。
しかし、よくよく考えたらブレアが好みそうだな、と思いつき、ネタとなり、このエピソードを書くに至りました。
が、無駄に長いな・・・しかも、最後うまくまとめられなかったし・・・あんましソウマカ要素ないし・・・
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はじめに
こちらは、管理人まいむのソウルイーター(ソウ×マカ)Onlyブログサイトです。

コミックスは3巻までしか持ってません。アニメは全話視聴完了。感想・二次創作テキストどちらもネタバレします。ご了承ください。

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プロフィール
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まいむ
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非公開
自己紹介:
本職はフォーチュンクエストの二次創作小説書きです。
副業でソウルイーター始めました。
デスシティの真ん中で愛を叫びたいくらい、ソウルとマカを愛してます。
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