第２８話後捏造。
１５禁ってほどでもありませんが、１２歳以下（･･･いるのか！？）の人は読まないでください。
アラクネの蜘蛛の糸の呪いで、動けなくなったマカ。
ブラック☆スターは、そのマカの敵をとるためにアラクネの元に向かい、ミフネと対峙する。そして、ミフネの立ち去り際に「呪いで苦しむ友達に渡してやってくれ」と託されたアメ玉を、ブラック☆スターは、保健室のマカの元に届けたのだった。
「これ、コンブアメじゃん」
ブラック☆スターの置いていったアメを、口に入れてやると、マカは途端に渋面になった。
「甘くないアメなんて、美味しくない！ ソウル、ティッシュ取って」
「なんだよ、せっかくのもらいモン、吐き出すのかよ」
「･･･そうだけど･･･しょうがないでしょ」
べっ、とマカはコンブアメの乗った舌を出す。
それを見て･･･俺は、ちょっとしたイタズラを思いついた。
無言でベッドサイドのティッシュを一枚抜く。
「分かったよ。ちょっと待て」
枕を背もたれにして上半身を起こしているマカの横に手をついて、顔を近づける･･･
舌を出したまま怪訝そうに俺を見るマカ。
「･･･？」
俺は、マカの舌を、口に含んだ。
「ちょ、･･･っと･･･」
しょっぱいコンブアメを含み取ると、ぺっとティッシュに吐き出す。
「確かに、こりゃ美味いもんじゃねーな」
驚きで何も言えずにいるマカに、ニヤリと笑いかける。
アメをくるんだティッシュをゴミ箱に放り投げると、アルミが、カーンという硬い音を立てた。
それを聞きながら、俺は再びマカに口付けた。
アラクネの蜘蛛の糸の呪いで動けないマカは、抵抗することもできない。
口付けの息を継ぐ合間に、マカが必死に言葉をつむぐ。
「ソウル、･･･んっ、･･････なに、･･･する･･･」
色気のない口元だと思っていたが、こうして触れてみると、その唇は柔らかくて。
マカが言葉を出そうと唇を動かせば動かすほど、それはまるで俺の口付けに応えるようで。
なにやってんだ、俺。
COOLじゃねェ、でも･･･もう止められない。
俺は、唇を離すと、鼻の頭がくっつくほどの至近距離で、マカの目を覗き込んだ。
切なげに、寄せられた細い眉の下。
その深緑の瞳は、スコールの後の密林のように、潤んで揺らいでいる。
「イヤなら、抵抗したっていいんだぜ？」
押し殺した声で、囁く。
「う、うごけないの、わかってるくせに･･･」
切れ切れの熱い吐息が、俺の肌を撫でる。
「イヤなら、イヤだって言ったっていいんだぜ？」
「っ･･･！！！」
言葉を発しかけたマカの唇を、俺はすばやく塞いだ。
マカの言葉は、発せられずに喉の奥へ落ちた。
「言わせねェけど」
ベッドに片膝をかける。
指先を、マカの細い髪に差し入れて。
魂をすべて押し付けるかのように、激しく口付ける。
「ソ、ウルっ･･･！」
マカが俺の名を呼んだ隙に、舌を差し入れて、逃げるように動くマカの舌を捕らえる。
小さくて薄いそれは、差し伸べた手にすがる小動物のように、恐る恐る俺に応じた。
マカの、強ばっていた首筋から、力が抜けていく。
あきらめたのか。
それとも･･･
心臓が、きりりと音を立てた。
とたんに疼き出すモノを堪えて、俺は唇をむさぼる。
舌を絡め合い、思う存分、味わい尽くして･･･そっと顔を離す。
やべェ･･･ちょっとしたイタズラのつもりが、つい火がついちまった。
マカが動けてたら、半殺しじゃ済まなかったかもな。
我に返ったそのときの俺の顔は、相当情けなかったことだろう。
俺を上目遣いに睨むマカの頬は、ほんのりと赤く。
艶やかに濡れた唇で、彼女は言った。
「ソウルのバカ」
俺は、思わず身をすくめた。
「ファーストキスの味がコンブアメなんて･･･COOLじゃないじゃん」
色っぽい声色とは裏腹の、あまりにマカらしい物言いに、俺は思わず噴き出した。
「だな」
俺たちは、上気した顔で笑い合った。
満ち足りたような、それでいて気まずいような、そんな気持ちで。
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あとがき
「言わせねェよ～！」by我が家（笑）
もうちょっと色気のあるタイトルをつけたいモノですが、あきらめました。
二次創作で色っぽいものを書くのは初です。
これを思いついたのは寝る直前ベッドの中。眠れんかった。
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